2021 年 31 巻 4 号 p. 478-481
永続識別子のうちDOI(Digital Object Identifier)やHandle Systemは日本でも人口に膾炙したといえようが,ARK(Archival Resource Key)は日本で普及したといえない.ARKは,他の永続識別子の体系にない特徴を持つ:すなわちアーカイブ資料と適合的な階層的取り扱いが可能なことである.本報では,京都大学研究資源アーカイブの運用する京都大学デジタルアーカイブシステムPeekにおける日本で最初のARK利用の取り組みを紹介する.この事例から,近い過去までの教育研究のアーカイブ資料を対象としたときに永続識別子を階層化することの有効性と,調査・整理等の資料管理の進行にそくして持続的アクセスとともに可能な範囲の資料を公開できる可能性について,展望する.