情報知識学会誌
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33 巻, 2 号
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  • 2023 年 33 巻 2 号 p. 119-120
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー
  • 足立 朋子, 原田 隆史
    2023 年 33 巻 2 号 p. 121-126
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     本稿では,同志社中学校・高等学校の知創館メディアセンターで2018年度から2021年度の4年間に利用されたデータを元に学校図書館の利用の実態を館外貸出と館内利用の両面から分析した.今までほとんど扱われてこなかった館内利用を実際に測定し,利用件数,利用時期,利用される資料の傾向などついて,館外貸出のデータとともに分析した。その結果,館外貸出に相当する量の館内利用があること,館外貸出と館内利用数の傾向などが全体的には相関関係にあるが,それぞれの特徴も見られることなどを明らかにすることができた.これらの結果は今後の学校図書館活動への指針に有効に活用できると思われる.

  • 山島 一浩
    2023 年 33 巻 2 号 p. 127-130
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

    学生の専門基礎科目から専門発展科目,卒業研究にいたるまで,「ICT 技術を正しく理解し運用するための力をやしなう」という目的のため,身近にある地域情報(歴史的建造物等の地域史)を調べ,通信によるコミュニケーションの重要性や,情報処理にとどまらず、ネットワーク通信を利用した情報や知識の共有を重要視した教育を行っている.それゆえ自身のPC やスマートフォンが、さまざまなネットワークにつながって手軽に情報の伝達、共有が行えるものであるということを実践している.2 年次にAR とVR の実習をそれぞれ3 時間で行い,3 年次にフィールドを特定し,例えば,その建造物は,何時の時代のものであるか,誰が築いたか等について地方史をもとに調査させる.また,学生には,コンテンツをAR かVR で表現するかを決定させた.そして,4 年次に,コンテンツを完成させた.本稿では,その一部の成果について学習の成果を判断する.

  • 小川 雄太
    2023 年 33 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     本研究においては,学校安全の向上に資するため,事務職員向けのクロスロードを作成し,事務職員の防災に関する意識について検討を行った.本研究で作成したクロスロードにおいて,事務職員は災害発生時に家族よりも職務を優先する傾向にあった.ただし,職務を優先する場合であっても,家族と連絡が取れることを前提に考えていた.また,災害発生時に避難所の運営に携わる必要性についても理解していた.本研究の結果は学校の実務を担う教員と事務職員が協働し,学校安全を向上させることが可能であることを示している.一方,2017年の学校教育法の改正によって,主体的・積極的に校務運営に参画することが事務職員に求められていることを踏まえると,学校安全に関しても事務職員の主体的・積極的な参画が必要かつ重要であると考えられる.

  • 保田 洋, 宇佐美 美紀子
    2023 年 33 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年,データサイエンスに注目が集まり,文系・理系を問わず全ての大学生が初級レベルの数理・データサイエンスを学ぶことが求められている.しかし,文系学部においては特にデータリテラシーの科目の導入が課題となっている.本研究では,本学の文系学部におけるデータリテラシー教育の導入による履修者の意識および知識の変化について分析し,その結果より得られた課題を考察する.

  • 松平 拓也, 笠原 禎也, 高田 良宏, 濵 貴幸, 蟹屋敷 祐介
    2023 年 33 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     金沢大学は,令和2年度に「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)」の採択を受け,採択事業の柱の一つとして,研究データを適切に管理可能とする「金沢大学学術データ管理システム(ARCADE2)」の構築を進めている.特に本システムは「金沢大学学術データマネジメントポリシー」において,研究データに限ることなく,本学における教育に関する活動を通じて収集または生成されたデータを含む「学術データ」を管理対象と定めている.現在,本システムは試行中で,複数の研究プロジェクトが利用を行っており,適宜フィードバックを受けて改良を進めているところである.本報告では,現在のシステム概要について説明するとともに,システム試行の様子やそれにより見えてきた今後の課題についても述べる.

  • 長塚 隆
    2023 年 33 巻 2 号 p. 148-155
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

    地域資料の範囲は広いが,自治体が発行している広報誌は全国のほとんどの自治体で発行されており,重要性の高い地域資料と言える.印刷体の広報誌は各地域の公共図書館で収集・公開されているが,近年はデジタル化の進展で,自治体のホームページで直接デジタル広報誌が公開され,公共図書館はデジタル広報誌にはほとんど関わっていない.現在,約70年前の創刊時の広報誌までデジタル化して公開している自治体がある一方,最新の2-3年分のデジタル広報誌しか自治体ホームページで公開していない自治体も多く,市民が過去の広報誌に容易くアクセス出来ない現状がある.そこで,2022年に広報誌の発行を担当する自治体広報部門にデジタル化・オープン化についての考えを個別に調査したところ,考え方は大きく異なっていた.本研究では過去のデジタル広報誌のオープン化を促進するための方策を提起した.

  • 宮川 創
    2023 年 33 巻 2 号 p. 156-161
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     本論文では,国立国語研究所が保有する言語資源をオンラインで公開するデジタルアーカイブ「国立国語研究所デジタルアーカイブNINDA」における,Omeka S とInternational Image Interoperability Framework(IIIF)を活用したキュレーション手法について検討する.具体的な例を挙げながら,Omeka S とIIIF を活用したキュレーション手法が,言語資源のデジタルアーカイブにおいて有効であることを示す.また,Linked Open Data(LOD)の観点からも,デジタルなキュレーションが言語資源のデジタルアーカイブにおいて有効であることを示す.NINDA に収録された言語資源を効率的に活用することで,言語資源の保全や研究・教育に貢献することが期待される.

  • 川邊 咲子, 橋本 雄太, 林 正治, 堀井 洋, 堀井 美里, 中村 圭佑, 小川 歩美, 佐々木 紫帆, 高田 良宏, 卓 彦伶, 山地 ...
    2023 年 33 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     本発表では,民具資料情報の収集を支援するクラウドソーシングシステムの構築に向けた取り組みについて紹介し,今後の展開について議論を行う.日本各地において,民具は地域の歴史的・文化的資料として収集・保存されてきたが,展示や教育・学術活動に活用されることなく死蔵状態に陥っている資料が少なくない.問題解決に向け,学術資源リポジトリ協議会(Re*poN)は,民具資料情報を収集するクラウドソーシングシステムを構築するためのプロジェクトを開始し,2022年10月に士別市において第一回目のハイブリッドミーティングを開催した.その結果,地域内外から情報提供者が対面・バーチャルで集まることにより,地域の民具に関する様々な情報が収集できることが示された.また,クラウドソーシングシステムのオンラインでの構築・展開と同時にイベントの実施を行うことの重要性が認識され,プロジェクト全体の方向性を定めることにつながった.

  • 谷村 皓奎, 松吉 俊, 兼松 祥央, 三上 浩司
    2023 年 33 巻 2 号 p. 168-173
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     作品のホームページなどに掲載されるキャラクター紹介文には,キャラクターの性格が記述される傾向がある.本研究では,2000年から2020年までに放送された計115のアニメーション作品を分析対象とし,そこに登場する738体の主要キャラクターの紹介文に含まれる性格設定フレーズを統計的に分析する.性格設定フレーズは,例えば「優しい」「明るい」「素直」などであり,同義語や表記揺れなどがある.そのため,事前に性格類語辞典を用い,ポジティブ編の99語,ネガティブ編の106語,合計205語の性格語の代表語群にまとめた.分析の結果,全体の50.4%のキャラクター紹介文にはポジティブのクラスを持つ性格設定フレーズのみが含まれており,22.6%のキャラクター紹介文にはポジティブに属する単語,ネガティブに属する単語双方が含まれていることが分かった.

  • 関口 賢, 阪口 哲男
    2023 年 33 巻 2 号 p. 174-179
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年,行政機関等の組織が所有する様々なデータをLODとして公開し,利活用することが盛んになってきている.LOD化の際には,リンク元とリンク先のデータセットのデータを逐一確認し,リンク元データの一つ一つに適切なリンク付けを行う必要がある.その際,リンク先候補を人手で探すのはコストが高い.そこで,本研究ではLODを記述するRDFの主語にリンクしている文字列の類似度を編集距離に基づいて求め,その類似度を主語の類似度として推薦するリンク先データ候補を選出する.また,総当たりでの処理は処理コストが高いため,特徴ベクトル法を用いた索引付けを適用することを提案し,その実験結果について報告する.

  • 大月 希望, 小川 歩美, 佐藤 琴, 小幡 圭祐, 堀井 洋
    2023 年 33 巻 2 号 p. 180-185
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年,物体としてあるアナログ資料やそのデジタル化資料だけでなく,生成される時点からデジタルデータであるborn-digital資料が急増している.とりわけ,スマートフォンなどの普及により,個人が生成・所有するデジタルデータの量的規模が拡大していることから,個人所有のborn-digital資料も膨大な量であることは明らかである.しかしながら,その質的特徴の把握や収集から保存,活用に至るまでの取り扱いについては議論が少ない.報告者らは,地域において生成・所有されるデジタルデータをborn-digital地域資料(Born-Digital Regional Memory: BDRM)と定義し,収集・継承に向けた取り組みを開始した.本稿では,特にBDRMの継承について,着想に至った経緯(背景)と全体像,現時点で想定される技術的・社会的課題,将来的な構想を提示する.その上で,BDRMを収集する取り組みである「でじきお」の,山形における実践内容の報告を行い,課題と展望を示す.

  • 堀井 洋, 小川 歩美, 堀井 美里, 大月 希望, 小幡 圭祐, 佐藤 琴
    2023 年 33 巻 2 号 p. 186-191
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     多種多様な学術資料情報の整理・公開を目的として,学術機関を中心にこれまで多くの学術資料デジタルアーカイブが構築されてきた.その一方で,学術資料デジタルアーカイブの中長期的な継続性に着目した場合には,研究プロジェクト終了後のサイト閉鎖やメンテナンスの放棄など,解決すべき課題が存在することは経験的に明らかである.学術資料デジタルアーカイブに対して,単なる資料情報公開の場としてのみではなく,次世代に資料情報を伝承するためのプラットフォームとしての役割を期待するためには,今後10年単位でどのように公開状態を維持し資料情報の更新・修正機能を実現しつづけるか,といった継続性・持続性に主眼をおいた“強靭さ“に関する議論が必要である.本報告では,現在複数の専門家と連携して取り組んでいる“強靭な“学術資料デジタルアーカイブの実現について論じる.

  • 佐藤 琴, 小幡 圭祐, 堀井 洋, 小川 歩美, 大月 希望
    2023 年 33 巻 2 号 p. 192-195
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     本稿は筆者が事務局長を務める山形アーカイブ実行委員会の山形市内の資料収蔵機関との連携によるデジタル・アーカイブの推進事業をとおして得られた知見について述べる.特に事業推進にあたって活用した文化庁の博物館支援事業との関係について考察した.それによって,小規模博物館がデジタル・アーカイブ化を進めるにあたって,小規模館同志の,お互いの強み・弱みを生かした連携の重要さを指摘した.また,日本の博物館のデジタル・アーカイ化を推進するためには,このような小規模館の取り組みを広げていく必要がある.

  • 小幡 圭祐, 佐藤 琴, 堀井 洋, 小川 歩美, 大月 希望
    2023 年 33 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     筆者は,地域の景観・街並みやそこで活動する人々の思いなど,地域の「記憶」を収集し山形大学附属博物館にアーカイブする活動を開始した.記録の収集・整理・保存・提供などを行うための方法論については,「アーカイブズ学」という学問分野があるものの,日本の「アーカイブズ学」は「組織アーカイブ」が主たる対象であり,自治体・企業・個人から日々無数に発生する地域アーカイブにはその方法論が十全に適用できない.よって,本稿では,筆者が作成している「山形アーカイブ」の活動を紹介するともに,その活動から見えてきた問題点・論点を指摘することで,地域アーカイブの収集・整理・保存・提供に関する「地域アーカイブズ学」の構築に向けての第一歩とする.

  • 西岡 千文, 大波 純一, 山地 一禎
    2023 年 33 巻 2 号 p. 202-211
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     研究助成機関が資金提供を行うプロジェクトからは,多様な研究成果が産出される.科学研究費助成事業(科研費)で助成対象者が提出する報告書では,研究成果を雑誌論文,学会発表,図書,産業財産権に分類して記述する.オープンサイエンスの潮流の中,いずれにも該当しない研究成果が多く産出されており,プレプリントを雑誌論文として挙げる等枠組みを超えて研究成果が報告されている.本稿は,科研費の研究成果のリソース種別を参照することで,研究成果の多様性の変化と現状を明らかにする.調査の結果,海外の助成機関と比較すると科研費の研究成果の多様性は低いが,増加傾向にあることが観察された. また,大型の研究種目ほど,多様な研究成果が産出されていることが判明した.一方,若手研究者向けの研究種目では,プレプリントの割合が高いことが示された.これらから,日本でも多様な研究成果の評価に対する要望は高くなっていると考えられる.

  • 南山 泰之, 林 正治, 藤原 一毅, 大波 純一, 横山 重俊, 込山 悠介, 山地 一禎
    2023 年 33 巻 2 号 p. 212-220
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年,研究データの再現性と再利用性を支えるプラットフォーム開発が国際的に進んでいる.多くのプラットフォームでは,複数の情報システムを統合してライフサイクル全体をカバーするサービスアーキテクチャを採用している.このようなアーキテクチャの実現に当たっては,異なる情報システム上で実行された処理と結果を引き継ぐための仕様が重要な役割を果たす.本研究では,我々が開発する研究データ基盤であるNII Research Data Cloud (NII RDC)における,アプリケーションプロファイル開発に向けた実践を紹介する.各基盤で扱われるデータの相互運用性を高めるために,我々はNII RDCのユーザーストーリーから抽出した実体と主要な関係性をもとに,オントロジー理論と技術を用いてアプリケーションプロファイルを開発した.本アプリケーションプロファイルを用いることで,複数の基盤間だけではなく,異なる分野のユーザー間でも実行された処理と結果の理解促進が期待できる.

  • 戀津 魁, 草野 貴博, 渡邉 賢悟
    2023 年 33 巻 2 号 p. 221-224
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     特撮作品やTVアニメーション作品,劇場公開の映画作品など,現代は多くの映像コンテンツが存在する.古くは1966年放送開始のウルトラマンシリーズや,2004年放送開始のプリキュアシリーズなど,長期にわたって続編が制作されている作品もある.幼少期より日本に在住していれば,これらの作品群を視聴した事のある者は多い.多くの人物間で共通の話題として扱える一方,視聴していたシリーズ及び作品,視聴時の年齢には世代間で差が生じる.しかし,視聴から年月が過ぎると共に,試聴した作品群をいつ視聴したか,またその際の年齢がどの程度だったかという記憶が薄れていき,ジェネレーションギャップを正しく認識することは難しい.そこで,本研究では自身の視聴していた作品群を当時の年齢と共に年表上に描画するシステムを開発し,自身の獲得してきた情報知識の時系列経過を可視化する.世代間で情報を共有することで,ジェネレーションギャップの可視化も行う.

  • 本田 正美
    2023 年 33 巻 2 号 p. 225-241
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     公的機関において,ウェブサイトにかかわるウェブアクセシビリティ方針の策定とウェブアクセシビリティにかかわる年次試験結果の公開が進んでいる.その現況については,2019年段階について,ウェブアクセシビリティ基盤委員会が都道府県と政令指定都市について調査し,その結果を公表していた.その後の2022年4月時点の現況は,情報知識学会第30回(2022年度)年次大会における発表である本田(2022)で明らかにされており,全ての都道府県と政令指定都市で方針が公開されていた.また,年次試験結果については,都道府県のうち44団体で,政令指定都市のうち19団体で,その公開がなされていた.本研究は,ウェブアクセシビリティ基盤委員会や本田(2022)では明らかにされなかった日本の政令指定都市以外の市におけるウェブアクセシビリティ方針の策定とウェブアクセシビリティにかかわる年次試験結果の公開の現況を調査するものである.

  • 三上 絢子, 南山 泰之
    2023 年 33 巻 2 号 p. 242-247
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年,オープンサイエンスの動きを背景に,論文の根拠となるデータを公開しようとする動きが活発になっている.根拠データの公開状況を測定するためには適切な引用と検索が可能な状態になっている必要がある.これまで一意な識別子(DOIなど)を割り当てられたデータを対象にいくつかの公開状況調査が行われてきた.一方で,関連する論文と同様のランディングページに置かれ,独立した識別子が割り当てられていない状態の根拠データも存在する.本稿では,根拠データの公開状況を正確に測定するための調査手法確立に向けた取り組みを報告する.我々は学術機関リポジトリデータベース(IRDB)のデータを用いて,根拠データが含まれる可能性があるメタデータを抽出,分析した.分析の結果,従来まで調査の対象になっていた根拠データが独立したURLで登録されるパターンに加え,論文と同一のURLで登録されるパターンも多数生じていることを明らかにした.これらのパターンと登録手順との関係性についても考察し,根拠データ登録手順の整備方針を検討した.

  • 西澤 正己, 孫 媛
    2023 年 33 巻 2 号 p. 248-253
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

    2003年に「景品表示法」の新設等があり,これに伴って大学等の研究機関を第三者機関としたア カデミックマーケティングが行われることが多くなってきている.ここでは2022年に行った「機能性食品届出情報の科学的根拠に関する事例研究」に引き続き,2015年施行の「機能性表示食品」に関して,日経テレコン21に掲載されており,「機能性表示食品」の検索語でヒットした3,271件のプレスリリース情報と消費者庁の機能性書表示食品の届出情報6,517件,さらに全国紙の新聞報道に注目し,大学との関連を含めて調査した結果について報告する

  • 池谷 瑠絵, 大波 純⼀, 金沢 輝⼀, 西岡 千文, 高久 雅生, 山地 ⼀禎
    2023 年 33 巻 2 号 p. 254-263
    発行日: 2023/05/20
    公開日: 2024/03/03
    ジャーナル フリー

     近年の世界的なオープンサイエンス(OS)の進展には,研究者個人だけでなく,大学や研究機関の取り組みが重要な役割を果たすことが指摘されている.国や地域単位でオープンな研究成果を集めた学術情報データベースから,機関のOS活動をモニタリングし,研究評価の改革にもつなげ得る機関向けダッシュボードが提供されはじめている.日本における,大学等の機関向けダッシュボードとその指標へのニーズを明らかにすることは,OSを促進し,機関におけるOSや研究評価改革活動の進展に資することが期待される.本研究では,国内大学等の図書館員とURAの2つのコミュニティ・計15名にインタビューを行い,質的分析により,機関内で現在用いられている指標群と今後利用意向のある指標群を明らかにした.さらに「指標」のみに注目した予備的分析として,抽出された指標にもとづいて,各コミュニティごとに求められる機関向けダッシュボードを構成し,その違いを明らかにした.

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