日本国際看護学会誌
Online ISSN : 2434-1452
Print ISSN : 2434-1444
外国人技能実習生の健康や生活上の問題と今後の課題における文献検討
辻村 弘美
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2020 年 3 巻 1 号 p. 23-31

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抄録
目的:日本における外国人技能実習生の健康や生活を支える体制の構築のために、彼らの健康や生活上の問題を明らかにすることで、今後の課題を検討することである。これにより、彼ら個人の健康管理の視点だけでなく、健康や生活を支えるための体制や働きやすい労働環境を整備していくことに貢献できると考える。
方法:文献検討とする。医学中央雑誌WTebを用いてキーワードとして「外国人労働者]「技能実習制度」「技能実習生」と「健康」「生活」を掛け合わせて検索した。技能実習生の健康や生活上の問題について書かれている内容を、1 文1 意味になるように抜き出して記録単位(コード)とした。その後、コードからサブカテゴリー、カテゴリーと質的帰納的に分析した。
結果:対象となった文献は18件で、1叫のコードから16のサブカテゴリー、5のカテゴリーが抽出された。5 つのカテゴリーは【コミュニケーションの問題」【健康の問題】 【生活や文化の相違】【労働環境の問題】【人権かかわる問題】であった。【コミュニケーションの問題」は33 コードの記載があり最も多く、そのサブカテゴリーは『生活上のコミュニケーション』『受診に関するコミュニケーション』『対人関係の問題』『職場でのコミュニケーション』が挙げられた。
考察:日本で暮らす技能実習生の問題は多岐にわたることが明らかになった。健康問題においては、結核やメンタルヘルスなどが挙げられ、それらはストレスや厳しい労働環境により悪化していた。また、職場や日常生活での人間関係を良好にすることが大切で、技能実習生の気持ちに寄り添いサポートをすることが必要である。
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© 2020 日本国際看護学会
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