Reproductive Immunology and Biology
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学会賞受賞論文
Bio-nanocapsule(BNC)を用いた子宮局所への新しいdrug delivery systemの構築
小泉 花織中村 仁美松崎 高志黒田 俊一瀧内 剛熊澤 恵一木村 正
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2015 年 30 巻 p. 13-21

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抄録
Bio-nanocapsule(BNC)は約100nmの中空の粒子から構成され,30年以上臨床で使用されてきたB型肝炎ワクチンと同様の構造である。表面に肝臓に特異的な結合部位をもつpre-S1ペプチドがあるために全身投与したとしても肝臓に特異的に送達される。本研究ではこの肝臓に特異的な結合部位であるpre-S1領域のN末端をHIV-1 領域由来の 14 量体で ある細胞接着性のあるトランス活性化転写因子(TAT) ぺプチドに置換し,BNCを子宮局所への新しいdrug delivery system(DDS)として至適化,再構築を行った。Cy7にて標識したBNCをマウスの子宮腔内に注入し,BNC粒子の分布をin-vivo画像システムと免疫組織化学にて観察した。また,リポソーム(coastomeEL-01-D)を用いて,Luciferase強制発現プラスミドDNAをBNC内に封入し,子宮腔内に遺伝子導入を行った。遺伝子導入の効率はLuciferase assayを用いて解析した。TAT標識したBNC(TAT-BNC)が一過性に子宮に滞留する条件を設定し,BNCが子宮腔内に停留することを確認した。組織学的な検討において,子宮内膜上皮においてBNC粒子の局在が確認された。しかしながら,間質細胞および筋層にはBNC粒子が拡散しない事が確認された。TAT-BNCを用いた方法では,リポフェクション法に比べて有意に高い遺伝子導入効率が認められた。今回の結果から,BNCが子宮局所への新しいDDSとして提案できる事が示唆された。
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© 2015 日本生殖免疫学会
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