保険学雑誌
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「IT技術の進歩と保険事業の展開」―平成26年度大会シンポジウム―
保険ITの現状と動向
尾籠 裕之
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2015 年 2015 巻 628 号 p. 628_5-628_15

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抄録

保険ITの主軸が基幹システムから顧客接点システムに移ってきている。その原因はネット化の進展と顧客の保険情報量の増大である。この傾向は今後も衰えることはないので,保険ITの基軸が顧客接点システムに移ることは確実である。この結果,顧客接点活動の価値が高まり,顧客接点で活用する情報の価値も高まっている。
ITは今まで,営業第一線から離れた内務事務を支援していたが,いよいよ営業現場を直接支援する役割を担うことになってきた。そのための大前提として,基幹システムによる事務プロセスの大幅短縮化を基幹システムの再構築で実現し,顧客接点システムを担う人材の育成も経験してきた。
今後は,ますます顧客接点での業務が増加する。そのための課題は,人材育成,顧客接点情報の蓄積・活用,さらに情報の管理責任者や管理基準,社会システムとのリンク等多岐にわたる。保険ITは新たな段階に入った。

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© 2015 日本保険学会
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