日本関節病学会誌
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原著
大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折と変形性股関節症における大腿骨頭のマイクロダメージの蓄積の違い
岩田 憲真柴 賛嶌村 将志千田 鉄平山本 哲司三木 崇範
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2020 年 39 巻 4 号 p. 386-391

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抄録

目的 : 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折 (SIF) の原因は骨粗鬆症を基盤とする骨脆弱性が原因と考えられているが, その病態は明らかではない。本研究の目的は, SIFから急速破壊型股関節症 (RDC) へ進行しつつある大腿骨頭のマイクロダメージの蓄積を調査し, すでに我々が報告した末期変形性股関節症 (OA) と比較検討しその病態を明らかにすることである。

方法 : 他の疾患が否定されSIFと診断され日常生活に支障をきたしたため人工股関節置換術 (THA) を施行した7例と, 発育性股関節形成不全 (DDH) によるOAのためTHAを施行した9例を対象とした。術前の腰椎前弯角, 腰仙角, 骨盤傾斜角, 術中に摘出した大腿骨頭軟骨下骨のマイクロダメージを調査し, SIFとOAで比較検討した。

結果 : SIFの脊柱骨盤アライメントは有意に腰椎前弯が低下し骨盤後傾を認めていた。評価領域中の骨量であるBV/TVはSIFの方が有意に低値であったが, マイクロクラックの密度であるCr.DnはOAのほうが有意に高値であった。

考察 : SIFは腰椎の後弯と骨盤の後傾により大腿骨頭の前方被覆が急激に失われ, 脆弱な大腿骨頭にマイクロダメージの蓄積が起こり発症すると推察された。一方, OAはマイクロダメージの蓄積はあるものの骨量が維持されているため骨折をきたしにくいと考えられた。

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© 2020 日本関節病学会
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