日本関節病学会誌
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原著
上方アプローチによる上腕人工骨頭置換術
加茂 健太城戸 秀彦城戸 聡森本 辰紀竹内 龍平河野 通仁
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2021 年 40 巻 2 号 p. 94-98

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抄録

はじめに : 人工骨頭置換術の手術のアプローチ法は, 前方, 上方と後方に分けられる。肩関節においても, 筋温存する試みがされ, 上方アプローチ (Anterosuperior Approach, Superior approach: SAとPosterosuperior approach) などが報告されている。

目的 : 当院では, SAを用いて, 上腕人工骨頭置換術 (HHR) を施行しており, SA-HHRの特徴を明らかにすることを目的とした。

方法 : 2018年6月から2019年12月の間に施行されたHHRを対象とした。関節リウマチ (RA) 患者3例, 上腕骨頭脆弱性骨折 (SIF) 2例 (1名), 変形性肩関節症 (OA) 1例の6例を関節症群とした。上腕骨筋位端骨折5例を骨折群とし, 合計11例を後ろ向きに調査した。関節症群は座位での術後肩関節自動屈曲・外転角度を調査した。

結果 : 関節症群の手術時平均年齢64.5歳, 女性6名だった。SIFの1例は棘上筋が温存された。OAの1例は, 棘上筋が菲薄化し, 筋間が不明瞭であったため, 棘上筋を縦切開した。RAの2例は, 棘上筋が断裂しており, CTA headを使用した。RAとSIFの2例は, 棘上筋を一部切離し, 非吸収性人工靱帯で縫合した。平均手術時間は73.2分 (64〜86分), 平均術中出血は163g (0〜285g) だった。最終フォロー時 (平均術後22週) の平均屈曲角度122.5度, 外転角度は116度だった。骨折群の手術時平均年齢75.4歳, 女性4名だった。平均手術時間は85.8分 (63〜101分), 平均術中出血は169g (115〜210g) だった。

結論 : 棘上筋断裂例, 大結節骨折転位例では, 棘上筋が切離されている状態なので, SA-HHRは, 特に有用と考えられる。棘上筋が断裂していない症例では, 棘上筋の部分切離を要す場合がある。

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