目的 : 高齢化が進むことによりさまざまな合併症が生じる頻度が高くなり, 特に腎機能障害は関節リウマチ (以下RA) 患者における薬物の選択肢や投与量を制限させる要因となる。腎機能障害を合併しているRA患者に対する薬物療法について検討した。
方法 : 都立墨東病院リウマチ膠原病科に通院中のRA患者1,129名のデータを使用した。腎機能障害の有無をeGFRが60mL/分/1.73m2をカットオフ値として2群に分け, 年齢, 性別, 使用薬剤, 疾患活動性 (DAS28-CRP), 身体機能 (mHAQ) を比較検討した。
結果 : 腎機能正常群は868名, 腎機能低下群は261名であり, 腎機能正常群の平均年齢は64.5歳, 腎機能低下群は73.9歳と腎機能低下群のほうが有意に年齢が高かった。MTXは投与率, 投与量とも腎機能低下群で減少していた。ステロイドは投与率は腎機能低下群で増加していたが, 投与量は両群で同等であった。生物学的製剤は腎機能正常群と腎機能低下群で投与率に有意差はみられなかった。腎機能低下群ではnon-TNF製剤の投与率が増加した。腎機能低下群で疾患活動性が高く, 身体機能は低下していた。
結論 : RA患者において, 腎機能障害はMTXの投与率や投与量を減少させ, 寛解率が低下する一因となった。