日本関節病学会誌
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原著
変形性股関節症患者における体幹・股関節周囲筋と脊椎・骨盤アライメントの関係
金井 賢太崔 賢民手塚 太郎池 裕之秋山 豪介稲葉 裕
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2023 年 42 巻 2 号 p. 41-44

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抄録

背景:変形性股関節症に対する人工股関節全置換術(THA)は,疼痛を改善し良好な術後を収めることが報告されているが,術前より姿勢が不良な患者では,歩行能力や股関節機能の術後改善が乏しいことも報告される。本研究の目的は,変形性股関節症における脊椎・骨盤アライメントに影響する体幹・股関節周囲筋について調査することである。

方法:対象は片側変形性股関節症の女性患者58例で,術前の患者の脊椎グローバルアライメントとしてsagittal vertical axis(SVA)を,骨盤アライメントとしてpelvic tilt(PT)を計測した。これらの患者において,術前CT画像から3D-Slicerソフトウェアを用いて大殿筋,中殿筋,大腰筋,傍脊柱筋を三次元化し解析を行って,脊椎・骨盤アライメントとの関連について調査した。

結果:変形性股関節症において,患側の大殿筋,中殿筋,大腰筋の筋質量は,健側と比較して有意な低値を示し(P<0.05),これらの筋力の低下はSVAの上昇と有意な相関を認めた。また傍脊柱筋質量の低下は,SVAの増加およびPTの増加と有意な相関を認めた(P<0.05)。

考察:片側変形性股関節症患者では,患側のみでなく健側の体幹や股関節周囲筋も姿勢の維持に関与していることや,傍脊柱筋質量の低下は脊椎・骨盤のインバランスに影響していることを検証した。傍脊柱筋の筋力保持が姿勢の保持に重要であることが推測される。

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