抄録
生活習慣病のリスク軽減の働き (機能) をもつ新食品として日本が世界へ発信した機能性食品の名称と概念と実例 (低アレルゲン米) は、Nature (1993) に紹介されて以降、国際的に認知され、各国の鋭く追随するところとなった。機能性食品の効果の基因は主にポリフェノールなどの非栄養性因子であるが、最近ではこれにプロバイオティクスが含められ、世界的関心を呼んでいる。欧米が特に注目する機能性研究の新しい方法としてニュートリゲノミクスがある。これは、機能性の有無を遺伝子発現変動の大小から予測する方法で、各国の産業界も積極的に採用し始めている。近い将来、遺伝子の変異によって生じる多型と機能性の個人差の関係が解明され、テーラーメード食品が創出されよう。機能性食品の研究は第二世代を迎えようとしている。