2012 年 23 巻 1 号 p. 14-23
1990 年代に入り、16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づく分子系統解析が細菌の分類に適用され、乳酸菌の系統関係の全体像が解明された。これにより、我々がこれまで乳酸菌とみなしてきた細菌の殆どはLactobacillales 目に含まれることが明らかになった。本目は2009 年の時点で6 科33 属を数え、この中には既知属より独立した属に加え、多くの新規に分離・提案された属が含まれる。本稿では、現在までの乳酸菌の分類学的位置付けの変遷を整理し、多くの新規分類群で構成される2 つの科(Carnobacteriaceae、Aerococaceae)に焦点をあて、その構成属の特徴について概説する。