日本乳酸菌学会誌
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研究報告
Lactobacillus rhamnosus GG 株の摂取による便秘傾向な女性の排便および皮膚に及ぼす影響
宮澤 賢司依田 一豊原田 岳井田 恵平山 伊知郎何 方平松 優
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2017 年 28 巻 1 号 p. 12-17

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抄録

Lactobacillus rhamnosus GG(LGG 菌)摂取が便秘傾向な女性の排便および皮膚性状に及ぼす影響を投与前後比較試験にて検討した。便秘傾向および皮膚の乾燥を自覚している女性 16 名に 4 週間、LGG 菌(1.4 × 1010 cfu/day)を摂取させた。LGG 菌の摂取により、排便回数は試験開始時の 3.0 回/週から試験終了後には 5.4 回/週と増加し(p<0.01)、便性においては、便の色および形(p<0.05)、排便感(p<0.01)が改善した。皮膚の状態は、皮膚画像解析装置(VISIA)での分析により、皮膚の毛穴、色ムラが改善された(p<0.01)。また、試験前と比較し、頬および前腕部の角層水分量が高まっており(p<0.01, p<0.05)、医師の診断では、皮膚の乾燥および丘疹(p<0.01)、紅斑(p<0.05)が試験前より改善していた。Skindex-16 および被験者のアンケートにより、皮膚の状態は試験終了後に有意に改善し(p<0.01)、自覚症状も改善していた。本試験から、LGG 菌の摂取による便秘および皮膚の状態の改善が認められた。

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© 2017 日本乳酸菌学会
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