睡眠と環境
Online ISSN : 2758-8890
Print ISSN : 1340-8275
マットレスの寝心地に関する要因分析
― 全体的な寝心地の因果モデルの提案―
高橋 幸司 大友 香穂里田中 秀樹
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2024 年 18 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
本研究では,マットレスの寝心地について,生地の感触,沈み込み,硬さ,弾力性(反発力),あたたかさ,寝返り,幅(サイズ)から検討し全体的な寝心地の因果モデルを提案することを目的とした。本研究のため,20歳から49歳までの240名(男性120名,女性120 名)を対象者としたWebアンケート調査を行った。調査内容は,基本情報として性別,年齢,地域,身長,体重,脊柱弯曲,身体状態,使用しているマットレスの素材,サイズ,厚みについて回答させた。重回帰分析の結果,全体的な寝心地に関しては,沈み込み,弾力性(反発力),幅(サイズ),あたたかさの4 つが有意に関連していることがわかった。寝心地に対しては,特に,沈み込みが最も関連が強く,沈み込みと弾力性(反発力)にも強い関連が見られた。また,寝心地について,BMI,脊柱弯曲など身体情報がどのように影響するかを検討した結果,マットレスの主観的満足度について,マットレスの物質的な要素だけではなく,使用者の身体的特徴が影響している可能性が示唆された。さらに,本研究結果より,複数の身体的特徴の組み合わせで寝心地に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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© 2024 一般社団法人日本睡眠環境学会
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