抄録
近年インターネットの普及により,世界の日本語学習者が漢字に触れる機会が,インター
ネットのサイトにおいてであるということも多くなってきた。それでは,ネット上ではどのような漢字が多く用いられているであろうか。また,それは紙媒体の漢字の出現頻度とどのような差異があるだろうか。本研究では,常用漢字 2,136 字がインターネットの日本語サイト上でどのぐらい使用されているかを調査し,新聞の出現頻度と比較し,インターネットに出現する漢字の特徴を考察する。また,調査した漢字を頻度順に提示し,日本語の漢字教育に活用できる情報を提供する。本調査には 2017 年に国立国語研究所が公開した『国語研日本語ウェブコーパス(NWJC)検索系「梵天」』を用いた。このコーパスは文字単位の検索が可能であり,既存の検索エンジンのような件数の上限もなく,結果が比較的安定しており,信頼性の高い情報を得ることができる。