日本レーザー医学会誌
Online ISSN : 1881-1639
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ISSN-L : 0288-6200
特集「特殊光を用いた内視鏡診断」
Narrow Band Imagingを用いた気管支粘膜観察の有用性
渋谷 潔藤原 大樹和田 啓伸長門 芳星野 英久Mohamed Alaa田村 創芳野 充守屋 康充吉田 成利鈴木 実吉野 一郎
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2009 年 30 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
Narrow Band Imaging(NBI)は,RGBの光学フィルターの帯域を制限することにより,粘膜表面の微細な構造をコントラスト良く画像化するシステムである.ヘモグロビンが,青色の光に対して強い吸収特性があることを利用し,青色の狭帯域の光を照射することにより,粘膜表面の微細構造,特に毛細血管を明瞭に描出することが可能になる.NBIを組み合わせた高解像度気管支ビデオスコープの観察では,気管支squamous dysplasiaにおける蛇行した血管網の増生,錯綜に加え,angiogenic squamous dysplasiaでは点状血管の描出および扁平上皮癌においては,腫瘍表層へ立ち上がってくる様々な太さの螺旋型あるいはスクリュー型の新生腫瘍血管を観察した.これらは癌の進展と関連して増大しており,気管支鏡下における扁平上皮癌の多段階発癌過程におけるangiogenesisを描出していると考えられる.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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