2014 年 35 巻 1 号 p. 33-38
本研究では,犬の椎間板疾患に対する経皮的レーザー減圧術(PLDD)の穿刺手技の確立と臨床への有用性について検討した.ガイド針の正確な髄核への刺入は,解剖学的に構造の異なる,頚椎,胸腰椎,腰仙椎のそれぞれに対して開発した方法を用いることにより可能となった.レーザーの照射条件は,基礎的研究の結果から3 W,40-100 J が至適条件と判断された.臨床例に応用した結果,胸腰部では75%(12例中9例),頚部では66.7%(6例中4例)で症状の改善が認められた.また全症例において重篤な有害事象は認められなかった.以上のことから,犬の椎間板疾患に対する半導体レーザーを用いたPLDDの安全性と有効性が確認され,椎間板疾患の新たな治療法として有用であることが示唆された.