2019 年 40 巻 1 号 p. 45-55
波長Er:YAGレーザー光は2.94 μmの水に極めてよく吸収され軟組織と硬組織の蒸散も可能であることから,歯周治療領域では主に炎症性肉芽組織と歯石のデブライドメントに用いられてきた.近年Er:YAGレーザーの表面のみに限局した血餅形成能を応用した骨再生の新術式であるEr:YAG laser-assisted bone regenerative therapy(Er-LBRT)を開発し,既存の術式と比較して同等以上の効果を得ている.また,インプラント周囲炎治療にも応用され良好な結果を示している.本稿ではEr-LBRTの臨床症例を紹介し,文献を参考に解説する.