昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
原著
補完代替医療の選択とSense of Coherence
本江 朝美高橋 ゆかり副島 和彦田中 晶子伊藤 マモル
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71 巻 (2011) 4 号 p. 398-407

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抄録

本研究では,補完代替医療(CAM;Complementary and Alternative Medicine)のみを単独で利用する人々とCAMと西洋医学を併用する人々の健康状態やSense of Coherence(SOC)について明らかにすることを目的に,研究同意の得られた西洋医学の病院・医院や東洋医療の施術院に受診している人々でCAMを選択・利用している327名を対象に質問紙調査・分析を行った.その結果,以下のことが明らかとなった.
1.CAM単独利用群は,痛みやだるさなどの身体症状の緩和を目的に,鍼,灸,按摩等のCAMを利用していた.
2.CAM単独利用群は,CAMによって約9割で症状の改善を認め,CAMに対する期待度と満足度がCAM・西洋医学併用群より有意に高かった.
3.CAM・西洋医学併用群は,精神的要素に関わる症状の緩和と老化の防止を目的に,栄養補助食品等のCAMを利用していた.
4.CAM単独利用群とCAM・西洋医学併用群のSOC得点に差は認められなかった.
5.CAM・西洋医学併用群において,SOCが強いほど,健康管理の情報を得る意識が高く,無気力や不眠などの精神的要素が関わる症状は少なく,健康状態が良かった.
6.CAM・西洋医学併用群において,SOCが強いほど,CAMに対する期待や満足が高かった.
以上より,CAMを単独で利用している人々は,おおよそ効果が得られて満足を得ていたが,CAMと西洋医学を併用している人々においては,CAMに対する期待や満足,さらには健康問題への対処に,SOCが重要な役割を担っている可能性が示唆された.

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© 2011 昭和大学学士会
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