昭和医学会雑誌
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原著
進行再発非小細胞肺癌に対するセカンドライン化学療法の検討
白井 崇生廣瀬 敬村田 泰規大木 康成楠本 壮二郎杉山 智英石田 博雄中嶌 賢尚大西 司山岡 利光大森 亨奥田 健太郎
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2012 年 72 巻 4 号 p. 446-452

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抄録
進行再発非小細胞肺癌に対するセカンドライン化学療法の有効性を治療薬剤別に比較検討することを目的とした.1998年から2006年までに当院にて,初回化学療法としてプラチナ併用化学療法を施行後,再発した非小細胞肺癌患者253例のうち,セカンドライン化学療法を受けた76例を対象とした.セカンドライン化学療法の治療効果について,ドセタキセル単剤あるいはその併用療法群,ゲフィチニブ群,その他の治療群に分け,奏効率,生存期間,無増悪生存期間を後ろ向きに検討した.患者背景は,年齢中央値63歳(39~80歳),女性24例(31.6%),performance status(PS)0~1が61例(80.3%),組織型は腺癌57例(75.0%),非喫煙者17例(22.4%)であった.セカンドライン化学療法で使用した薬剤は,ドセタキセル単剤あるいはその併用療法51例,ゲフィチニブ15例,その他の治療10例であった.ドセタキセル,ゲフィチニブ,その他の治療の奏効率,生存期間中央値,無増悪生存期間中央値は,6.1%/20%/20%,9.6か月/4.2か月/23か月,2.3か月/2.3か月/1.7か月で,いずれも有意差を認めなかった.患者背景では,PSが再発後の予後と関連した.進行再発非小細胞肺癌に対するセカンドライン化学療法の有効性は,ドセタキセル単剤あるいはその併用療法,ゲフィチニブ,その他の治療薬剤で同等であった.
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© 2012 昭和大学学士会
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