昭和医学会雑誌
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血中CK-MMサブバンド変換因子の物理化学的性状
那須嘉 資雄高木 康五味 邦英石井 暢
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1984 年 44 巻 3 号 p. 337-342

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抄録
クレアチンキナーゼ (CK) にはCK-MM, CK-MB, CK-BBの3つのisoenzymesが存在することはよく知られている.最近, さらにCK-MMが電気泳動上3つのサブバンド (陽極側よりCK-MM1, CK-MM2, CK-MM3) に分かれることが確認された.これらCK-MMのサブバンドは急性心筋梗塞症において極めて特異的な変動を示す.すなわち, 急性心筋梗塞発症4時間後には最陰極側の正常時最も量的に少ないCK-MM3分画が正常の3~4倍に増加する.そしてこのCK-MM3は発症後の時間の経過とともに減少し, CK-MM2, CK-MM1がこれに代わって増加してくる.発症後36時間以上経過すると健常と同様のパターン, すなわちCK-MM1>CK-MM2>CK-MM3となる.一方, 心筋ホモジネート中のCKはCK-MM3だけであり, 急性心筋梗塞直後から経過にしたがってかような血中CK-MMサブバンド間の変化を生ずるのは, 血中に逸脱した心筋中のCK-MMが血中で何らかの修飾を受け, CK-MM2, CK-MM1に変化するためと推測できる.このため, CK-MMサブバンド問の変換に関与する変換因子の血中での存否を確認し, その変換因子の物理化学的性状を検索した.方法: CK-MMサブバンド分析はagarose gelを支持体とし, 通常のCK isoenzyme分析の通電時間25分を120分に延長して泳動した後, 螢光染色を施し, デンシトメトリーしてCK-MMサブバンド分画比を算出した.また, CK-MMは, 心筋ホモジネートより, 細胞分画法, イオン変換カラムクロマトグラフィー法にて精製したものを用いた.成績: 1) 変換因子は熱に対して不安定であり, しかも低温でその作用が減弱し, 温度依存性が高い.2) 変換因子の発現は2価の陽イオン, 特にCaイオンに強い依存性がある.3) 変換因子の活性発現にはpH依存性が高く, pH7.0~7.5付近が至適である.4) 変換因子の分子量は約21万であり, 限外濾過法による濃縮が可能な非透析性物質である.5) 変換因子はCM Aft-Gel Blueカラムクロマトグラフィーにより分離分取したprotease分画中に存在し, それに1) ~4) の事実を考え合わせると, この変換因子はproteaseの一種である可能性が極めて強い.
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