抄録
ラットを用いて, 横隔膜の筋線維タイプ組成と毛細血管分布量との相互関係を, 主として下肢のそれらとの比較から明らかにし, 同時にそれらの性差および発育による変化についても検討した, 筋線維は, コハク酸脱水素酵素染色およびpH4.3の溶液で前処理した後のミオシンATPase染色によって3種類のタイプに分類した.筋毛細血管壁は, pH4.0の溶液で前処理した後のミオシンATPase染色によって染色した.ラット横隔膜を占める速筋線維の比率は, 速筋である足底筋および長指伸筋のそれらに近似し, 速筋の性質を示した.また, ラット横隔膜の毛細血管分布量は, 他の下肢筋のものより豊富であった.雌雄ラットの横隔膜を構成する筋線維タイプの比率には差がみられなかったが, 雌ラットは雄ラットに比較して毛細血管の分布量が豊富であった.発育にともなって, ラット横隔膜では運動ニューロンの特性が変化すること, そして新しい毛細血管が形成されることが明らかとなった.ラット横隔膜の特性および発育による変化は, 高頻度換気にともなう低抵抗性筋収縮といった横隔膜の基本的運動への関与を反映したものである.