昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
血清脂質とTSH含量に対するDexamethasoneとPrednisoloneの影響
飯島 武中山 貞男
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 48 巻 3 号 p. 369-373

詳細
抄録

脂質代謝と下垂体一甲状腺機能に対するdexamethasone (DM) とprednisolone (PS) の影響を検索した.5週齢, 体重1509前後のSD系雄性ラットを用い, DMとPSは0.2, 2.0mg/kgを1日1回7日間皮下投与した.DM0.2mg/kg, PS2.0mg/kgで体重増加は抑制され, DM2.0mg/kgでは減少を認めた.下垂体と甲状腺重量はDM2.0mg/kgで減少した.PS0.2mg/kgでは甲状腺重量の増加を示した.肝重量はDM2.0mg/kgで増加した.血清の脂質 (総コレステロール, 遊離コレステロール, リン脂質, 中性脂肪) とtransaminase (GOT, GPT) はDM2.0mg/kgで明らかな増加を示したが, PS投与では変化がみられなかった.下垂体と甲状腺のtransaminaseはDMやPS投与で変化がなかった.肝組織はDM0.2mg/kgで肝細胞の膨化を認め, 2.0mg/kgでは脂肪沈着によると思われる細胞質の脱落, 核の漏出を示した.血清と甲状腺の甲状腺刺激ホルモン (TSH) はDM投与で変動するものの有意ではなかった.下垂体のTSHはDM2.0mg/kgで減少を示した.PSは血清, 甲状腺, 下垂体のTSHレベルに影響しなかった.DM投与による脂質代謝異常は肝組織障害の程度と相関しており, 下垂体一甲状腺機能に対する影響もPSに比べて強いことが明らかとなった.

著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top