昭和医学会雑誌
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胃潰瘍術後に発生した吻合部輸入脚側潰瘍の1例
渡辺 公博竹田 広樹川田 裕子眞 重雄米山 啓一郎舩冨 等八田 善夫
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1992 年 52 巻 2 号 p. 223-228

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抄録
Billroth II法による胃潰瘍術後に, 十二指腸側吻合部潰瘍を発症した1例を報告した.症例は68歳, 男性.軽度の腹痛とともに吐血をきたし入院した.入院時の上部消化管内視鏡検査では, 残胃, 十二指腸内に多量の新鮮血を認め, 出血部位の確認はできなかった.4日後の再検査時には止血しており, 吻合部輸入脚側に浅い潰瘍とびらんを認め, これらの部からの出血と推定された.その病因検索のため種々の検査を施行したが, 残胃の過酸傾向, 輸入脚内の膵液, 胆汁の停滞, 膵液による酸中和能の低下, 胆汁中胆汁酸組成の変化は否定され, 腹部血管撮影にて軽度の動脈硬化性変化を認めるのみであった.以上より, 本例の潰瘍発症機序として, もとに動脈硬化にともなう微小循環障害があり, さらにアルコールによる粘膜障害が加わり, 発症したと推定された.
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