昭和医学会雑誌
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糖尿病と高脂血症を合併したWerner症候群の一例
田島 博之辻 正富荏原 徹鹿間 祐介足立 満
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1993 年 53 巻 4 号 p. 401-405

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抄録
Werner症候群は早期老化を特徴とする遺伝性疾患である.症例は54歳男性, Werner症候群特有の臨床症状の他に糖尿病と高脂血症の合併が認められた.7590GTT, アルギニン負荷試験では低インスリン反応であったが, 24時間尿中C-ペプチドは正常範囲, 25g IVGTTインスリン感受性試験ではインスリン感受性の低下 (インスリン抵抗性) がみられた.インスリン抗体陰性, 赤血球膜インスリン受容体の性状は正常であった.糖尿病の原因としてインスリン分泌能の低下とともにインスリン感受性の低下, 特にインスリン受容体結合以降の障害が示唆された.高脂血症はIIb型を呈し, 原因として文献的にインスリン作用不足による末稍脂肪組織から脂肪酸の動員, LDL受容体活性の低下, LPL (リポプロティンリパーゼ) 活性の低下, 変性LDLの増加が考えられた.
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