昭和医学会雑誌
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ラットの成長過程におけるCholecystokinin合成系の発達について
臼井 一郎新川 淳一三田村 圭司小口 勝司
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キーワード: 成長, 十二指腸, 大脳
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1995 年 55 巻 2 号 p. 145-151

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抄録
個体の成長とともに各種消化管ホルモンの合成・分泌機能も発達し, 組織内含有量も変化すると推定される.消化管ホルモンの一つであるCholecystokinin (CCK) 合成系の, 成長過程における変化を明確にする目的で, 生後1, 2, 4, 10カ月のWistar系雄性ラットを使用して, 空腹時血中CCK濃度, 組織内CCK含有量, CCKmRNAを検討した.血中CCK濃度は, Sep-PakC18で抽出後, 抗CCK特異抗体OAL-656を用いてradioimmunoassay (RIA) で測定した.CCK含有量は, 組織から水抽出及び酢酸抽出を行い, 遠心後の上清をRIAで測定し, 両者の総和を求めた.CCKmRNAは, guanidinium/cesium chloride法で全RNAを抽出し, Northernblot及びDotblot hybridization法により測定した.2カ月齢ラットの各種組織についての基礎的検討では, 上部小腸 (幽門より30cm) 及び大脳でCCK含有量が多く, CCKmRNAも強く発現していたことより, 十二指腸, 大脳を用いて成長過程における変化を検討した.空腹時血中CCK濃度はどの月齢においても有意な差を認めなかった.十二指腸におけるCCK含有量およびCCKmRNAは, 生後1カ月から4カ月まで増加し, 以後有意な差を認めなかった.十二指腸におけるCCK合成系は, 生後4カ月までに発達することが示された.大脳におけるCCK含有量及びCCKmRNAは, どの月齢においてもほぼ一定で有意な差を認めなかった.大脳におけるCCK合成系は生後1カ月以内に発達することが示唆された.CCK合成系の発達はラットの組織により異なり, CCKの合成系は十二指腸よりも大脳において早期に発達すると推定された.
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