昭和医学会雑誌
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浸潤性乳管癌n1症例における再発危険因子としての多剤耐性因子および組織学的異型度の検討
御子神 哲也滝本 雅文塩沢 英輔矢持 淑子太田 秀一田嶋 勇介沢田 晃暢草野 満夫九島 巳樹
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2005 年 65 巻 3 号 p. 247-253

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抄録
乳癌においてリンパ節転移の有無は最も信頼性の高い予後規定因子であり, 陽性例では術後の化学療法は必須である.今回, 我々は浸潤性乳管癌n1症例における再発危険因子としての多剤耐性因子を検討し, あわせて組織学的異型度との関連も検索した.対象は術後5年以上・全乳房切除を施行され, 病理結果でn1と診断された症例60例を対象とした.方法は病理診断目的に作成されたブロックを用い, 多剤耐性因子として知られるMDR1, MRP1, MRP2の免疫組織化学染色を施行した.また, 組織学的異型度の評価に用いられる核分裂数の客観的評価としてMIB-1およびtopoisomeraseIIの免疫組織化学染色を施行した.さらに, ER, HER2の免疫組織化学染色を施行, これらと再発の有無について比較検討した.MDR-1は60例中1例のみが陽性を示し, MRP.2は60例中58例が陽性を示した.これに対しMRP-1は陽性35例に対し, 陰性は25例で, これと臨床病理学的因子に対して検討を行い, MRP-1の発現の有無は再発危険因子のひとつであると考えられた.また, MIB-1 labeling indexは再発の指標として有用であることが示唆された.
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