昭和医学会雑誌
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アナフィラキシーショックを呈したライチによる口腔アレルギー症候群の1成人例
鈴木 慎太郎茂木 健太郎家城 光志黒川 真嗣足立 満
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2008 年 68 巻 5 号 p. 280-284

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抄録

26歳の女性.ライチを食べた後に口腔咽頭の違和感を訴え, 次第に皮膚掻痒感, 四肢のしびれ, 悪心を認め, 救急外来を受診した.来院時, 血圧低下と意識障害も認めた.アナフイラキシーショックと診断し, アドレナリンや副腎皮質ステロイド薬などを投与し改善した.ライチに対する特異的IgE抗体測定および同種のライチを用いた皮膚試験で陽性を示した.アナフイラキシーショックに進展したライチによる口腔アレルギー症候群と診断し, 今後はライチを摂取しないように指導した.また, 本例ではこれまでに種々のパッションフルーツやスパイスでアレルギー症状の既往があり, 花粉による鼻アレルギーもあることから, プロフイリンをアレルゲンとしたpollen-fruit syndromeと呼ばれる病態を有しているのではないかと推測した.

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