生体医工学
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MEMS 3軸力センサの原理
高橋 英俊
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S212_1

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抄録

著者は長年MEMSのピエゾ抵抗型力センサの研究開発を行ってきた。博士課程においては、ピエゾ抵抗型カンチレバーを用いた高感度差圧センサを開発し、クロアゲハの翼面に貼り付けることで離陸時に翼面に働く空気力を評価した。ピエゾ抵抗は金属抵抗と比較して高感度であり、また抵抗変化によって歪みを検出するためノイズに強い特性を持つ。その後、ショウジョウバエの羽ばたき運動時の飛翔力を計測するプローブ型のピエゾ抵抗型力センサの研究開発に従事した。プローブの先端にショウジョウバエを貼り付け、運動時の力を計測する。センサの要求仕様として、xyzの3軸方向の力を1uN以下の分解能で計測可能で、かつショウジョウバエを取り付けても共振周波数が羽ばたき周波数よりも十分に大きいことが求められる。そのため、プローブを支えるビームの表面及び側面で、各方向の力が加わったときに最も歪む位置にピエゾ抵抗層を形成することで要求仕様を満たすセンサを実現した。その後、このプローブ型の力センサの原理を応用することで、このセッションの扱うMEMS 3軸力センサを研究開発した。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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