生体医工学
Online ISSN : 1881-4379
Print ISSN : 1347-443X
ISSN-L : 1347-443X
VRドライビングシミュレーターを用いた飲酒量による危険性の定量的評価
横出 瑞己橋本 敦藤脇 蓮樺島 将吾原田 一平古賀 穂香原田 敦広山越 健弘
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S66_1

詳細
抄録

飲酒運転による事故は深刻な社会問題である.飲酒によって様々な認知能力を低下させることが知られているからである.しかし運転技術は飲酒量によってどの程度影響を受けるかは明らかになっていない.そこで本研究では,運転技術を持っているアマチュアドライバーと一般ドライバーを対象として,呼気アルコール濃度(BrAC)0 mg/L,0.15 mg/L(飲酒運転の規程値),0.25 mg/L(ほろ酔い),0.5 mg/L(酩酊初期)の条件で,Formula 1カーを用いて,モナコ・モンテカルコースを8周走行と心拍数の同時計測を行うことで運転技術がどの程度影響を受けるか検討した.結果,最速ラップタイムは全体では遅くなったが,アマチュアドライバーにおいてはBrAC 0.15 mg/L,0.25 mg/Lでは速くなった.衝突回数は全体で上昇傾向であり,心拍数は,BrAC 0.15 mg/Lで減少し,その後上昇することが確認された.よって,アマチュアドライバーにおいてはアルコールの摂取により緊張が緩和され運転技術は上がるが,逆に気持ちが大きくなり危険であることが示唆され,全体では注意力低下により事故発生を促進することが示された.

著者関連情報
© 2019 社団法人日本生体医工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top