生体医工学
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認知症予防を目指した楽器演奏・音楽療法
赤澤 堅造奥野 竜平一ノ瀬 智子田部井 賢一近藤 瑛佑
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 134

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抄録

認知症を薬により根本から治すという治療法は,まだ確立していない.米国で修道女Nunを対象とした認知症の縦断研究「Nun Study」があり,認知症の予防あるいは進行を予防するためには,神経・精神活動や適度な運動を盛んにするということが重要であることが示唆されている.つまり非薬物的な介入の重要性が示されている.楽器演奏および音楽療法などの介入に対するエビデンスは十分ではないが,着実に蓄積されつつある.本研究では,これに焦点をあて,健常者,MCI者,認知症患者を対象として,認知症予防のエビデンスン関する文献調査を実施し,その結果を報告する.筆者らは,障害のある方々が容易に楽曲を本格的に演奏できるアクセシブル電子楽器サイミスを開発し、この10数年にわたり,福祉施設や医療施設での利用を推し進めてきた.プログラム化した楽譜をコンピュータに内蔵させ楽器サイミスである.スイッチ,タッチパネル,エアバッグ等のユーザインタフェースが利用できる.本報告では,これらのデバイスの概要,そして健常高齢者,福祉施設における障害のある中高年者,中重度の認知症患者への使用例などを紹介する

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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