生体医工学
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空気圧ソフトアクチュエータを用いた足関節他動ROM訓練装置の提案
岡本 宙大江 祥生谷口 浩成
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 536

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抄録

拘縮は、関節周辺の軟部組織が器質的に変化し、柔軟性や伸張性が低下することで生じる関節可動域(Range of Motion : ROM)制限であり、拘縮の治療は難渋することが多い。また、ROM制限が日常生活動作に与える影響は大きく、特定の動作が困難になる可能性が高い。そこで、拘縮の予防やROMの向上を目的として、理学療法士が患者へROM訓練を提供している。しかし、今後の少子高齢化による患者数の増加や理学療法士の人員不足などにより、患者が十分なROM訓練を受けられなくなることが予測される。そこで、自動でROM訓練を提供する装置が開発されている。その中でも、拘縮の好発生部位であり、歩行時に重要な役割を担う部位である足関節を対象とした装置が盛んに開発されている。しかし、従来の装置では足関節の底背屈動作しかできず、回内外動作はできない。回内外動作のROMが制限された場合、日常生活でバランスをとることが困難となり、捻挫や転倒の可能性が高くなる。そこで本研究では、底背屈動作に加えて回内外動作を提供する装置を開発している。本装置は、高い柔軟性を持つ空気圧ソフトアクチュエータで足部を直接圧迫して、足関節を運動させることにより、個人差の多く伴うROM訓練に適応することを目指している。本報告では、装置の構造と駆動原理、試作した装置の駆動特性評価試験について報告する。

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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