生体医工学
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金取引ゲームによる意思決定過程のシステム同定
矢吹 真菜檮木 智彦
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2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 796-798

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抄録

現在、ヒトがどのように意思決定を行い、行動していくかという過程については、国内外を問わず様々な研究が行われており、様々な心理学的モデル、実験手法が生み出されている。しかしながらヒトの意思決定過程を伝達関数を用いてモデル化したものは筆者が確認した限り存在しない。本研究では比例(Kp)、積分(Ki)、微分(Kd)の三要素を用いて意思決定過程のモデル構築を行い、30名を対象とする金取引のコンピュータゲームから入出力データを得て、システム同定を行った。この結果、Kpに対するKi、Kd の比率には個人差と解釈できるばらつきがみられた。これによりシステム同定は矛盾なく行えたと考えられる。ただし、全体の再現率は15%と高いものではなかったが、試行回数が4回と少ないものであった。今後は試行実験方法の変更を行い、全体の再現性を再検討したい。また、今回の試行実験でヒトの学習機能については考慮していないので、これらを考慮したモデルの作成も課題である。

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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