廃棄物埋立地からのメタンガス排出量算定には、ガス化率と好気性分解補正係数が必要である。ガス化率はごみ層内の生物分解有機性炭素のうち50%がガス化するという初期値が与えられているが、これは欧米型の乾燥墓場(Dry Tomb)様の管理に基づいたものである。そのため、ごみ中の生物分解有機性炭素が浸出水中に流出する割合が異なることが考えられる。以上のことを踏まえ本研究では、埋立地での廃棄物分解過程における炭素分の物質収支取り、適切なガス化率を設定することを第一の目的として埋立カラム実験を行った。好気性分解補正係数については、準好気性埋立地において0.5という初期値が与えられている。しかしこれは、埋立層内に浸透した雨水が適正に排除されていることが前提である。本研究では、準好気性埋立地における好気性分解補正係数の精緻化を第二の目的として、廃棄物埋立地での水分滞留に関するモニタリングを実施した。