抄録
一般廃棄物焼却残渣は高濃度の重金属を含有するため、最終処分場に埋立処理されるのが一般的である。しかし近年、一般廃棄物の最終処分場の残余年数が逼迫している社会情勢を鑑み、これら一般廃棄物焼却残渣中の重金属を早期安定化(不溶化)及び無害化する研究が行なわれている。既存の安定化技術は安全性、経済性等において課題が残されており、より良い安定化処理及び資源化処理方法の開発が求められている。本研究ではこれまでに一般廃棄物焼却主灰や一般廃棄物焼却飛灰に紫外線を照射させ、光触媒反応によって重金属(特に鉛)の溶出濃度を低下させることが可能であることを明らかにしている。本研究では一般廃棄物焼却残渣中の触媒(TiO2)及び照射エネルギーが鉛不溶化効果に与える影響について検討を行い、TiO2が不溶化効果に寄与している可能性があることや照射エネルギーを10Wと20Wで比較した場合、途中結果ではあるが、20Wの方が溶出濃度の低下が顕著であることを明らかにした。