主催: 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
飛灰の薬剤処理時に発生する二硫化炭素の測定実験は既存の研究事例があるが、検地管を用いた簡易測定であるため、精度面の問題があることや、同一試料の連続的な測定ができないため、ガス発生の経時変化の把握には適さないという課題がある。そこで本研究では、一般廃棄物の焼却・溶融処理時に発生する飛灰の薬剤処理時に発生する二硫化炭素をガスクロマトグラフにより測定し、薬剤添加率の違いによる発生濃度の経時変化への影響を調べた。その結果、薬剤の種類によって二硫化炭素の発生のしやすさに大きな差があることや、薬剤単体の場合では濃度は上昇し続け、飛灰と混合する場合は濃度の低下に転じるケースもあることが示された。また、二硫化炭素の発生濃度に余剰薬剤量が関係することが示唆された。今後は飛灰の組成やpHの違いを検討する必要があると考えられる。