抄録
本稿では、感染性廃棄物の排出量を把握する1つのアプローチとして、多量排出事業者から提出された処理計画書に着目しその特徴を整理した。その結果、多量排出事業者のデータは、大半の自治体で公表されていることから地域的に漏れが少ないデータであること、1割のデータで記載情報の不備があること、既存研究の排出量と比較すること約5割に相当すること、都市部に報告件数が多いこと、カバー率は約1割であること、感染性廃棄物の排出量として病床数で作った原単位は0.4t/年と推定できるものの、原単位のばらつきが大きく十分に説明できるものでないことを示した。