還元反応とガラスの分相現象を利用した新規の金属分離技術(還元分相法)により、廃ブラウン管鉛ガラスからのPb分離及び廃電子基板からの希少金属の分離について検討した。鉛ガラスに還元剤と分相剤を添加し高温で溶融することで、鉛ガラス中のPbOを還元し、メタル相とガラス相に分離することで、Pbはメタルとして回収される。ガラス相に残留するPbは、ガラスが分相しているために、酸によりほぼ100%抽出された。鉛ガラスを融剤として、電子基板を分相剤とともに溶融することで、希少金属の分離について検討した。Ni、Sb、Au、Cu、Pbは主にメタル相に分配した。また、ガラス相に含まれるCr、Mn、Sr、Ba、La、Ce、Nd、Feは酸で抽出・分離できることが確認された。レアアース等の還元反応のみでは分離が困難な元素も抽出分離できることが示され、より多様な金属の分離回収技術としての活用が期待された。