抄録
有害金属の適正管理に向けた基礎情報としてそのマテリアルフロー・ストックと環境排出量の把握は重要である。水銀(Hg)については国際的管理に向けたこれまでの検討の中でマテリアルフローや排出インベントリのデータ整備が行われてきている。一方,カドミウム(Cd)と鉛(Pb)もUNEP重金属プログラムの対象として国際的な検討が行われてきているなど,将来の適正管理に向けて同様の基礎情報を継続的に整備していくことが必要と考えられる。 本研究では,PRTR届出排出量を環境排出量として適用することの妥当性を検討するため届出排出量算出方法の実態調査を行うとともに,Cd,Pbの環境排出を含めたマテリアルフロー・ストックの最新かつ時系列データの推計とフロー・ストックモデルの作成に向けた検討を行った。