抄録
録画再生機器で用いる記憶媒体が近年大量に普及・流通しているが、機器本体に注目が集まりやすく、記憶媒体に関する議論や研究は盛んではない。本研究では、記憶媒体の国内使用状況の全体像を明らかにすることを目的に、国内フローと家庭内ストック及び廃棄ポテンシャルの推定を行った。研究方法としては、国内フローについては統計値、家庭内ストックについてはアンケート調査を行った。
その結果、重量ベースでは1998年が最大値14万tとなり、その後減少傾向となった。2011年現在の消費量は10万tであった。一方で、個数ベースでは1988年から2011年には倍増、情報量ベースの比較では、37倍となっており、記憶媒体の小型軽量化、高容量化を反映する結果となった。家庭内ストック量は、統計値から推定した累積販売量340億個の内、約210億個(60%)が家庭内にストックされていることが明らかとなった。