抄録
ある人が環境配慮行動をとるか,否かは,その人に環境配慮行動をとる動機があるかどうかにかかっている。動機がない人は,もちろん,環境配慮行動をとらない。「環境問題に興味・関心がない人」に対して,動機を持ってもらい,行動につなげてもらうためのアプローチの必要性が指摘されてきたが,その具体的な手法についての検討は多くはない。
動機がない人にどのように動機を持たせるかについて,Prochaskaらは,喫煙などの健康上の問題行動をとらないよう,患者にどのように働き掛けを行うかについて検討し,TTM(Transtheoretical model)を構築した。
このTTMのフレームワークをごみ減量行動の推進に適用できないかと考えた。
本稿は,TTMの「行動変容のためのステージ区分」「変容プロセス」のアプローチがごみ減量行動を促すうえでも有効であるかどうか,その適用可能性について検討を試みたものである。