抄録
コンクリート塊を原料として製造された再生砕石の環境安全品質を確認するために,4ヶ月間で製造された40個の再生砕石から各15kgを採取し,粒径9.5mm未満の画分の見掛けの密度,および全クロム(T-Cr)と六価クロム(Cr(VI))の溶出量を把握した。溶出量は,40個の試料に対してJIS K 0058-1の5 利用有姿試験で評価するとともに,同一日採取試料内の24画分について,JIS K 0058-1の6 粗砕試料試験で評価した。40検体からのCr(VI)の溶出濃度の平均値は0.02 mg/L,変動係数は26.5 %であり,土壌環境基準値0.05 mg/Lを超えるものはなかった。T-Crに対するCr(VI)の割合の平均値は81.4 %であった。同一試料内での24検体についても,Cr(VI)の溶出量の平均値は0.034 mg/Lで,土壌環境基準値0.05 mg/Lを超える試料はなかった。見掛けの密度は1.22~1.43 g/cm3であり,Cr(VI)の溶出量との明らかな相関は見られなかった。