抄録
建築物の取り壊し等によって発生する廃棄物のひとつとしてコンクリート塊があり,比重がその他の建設資材に比べて大きいことから,廃棄物として処理したり,路盤材等の材料としてリサイクルしたりする中で,運搬コストの面で非常に不利な材料である。したがって,コンクリート塊の発生源において,新たな建築資材としてリサイクルされることが望まれる。本研究では,コンクリート塊を破砕,擦りもみ,粒度調整,水洗い等の処理をすることによって製造される再生骨材Hを,再びコンクリートの材料として使用した場合の力学特性および耐久性について,実験的に検討した。再生骨材Hを使用したコンクリート供試体の圧縮強度,静弾性係数,長さ変化率および中性化深さについて,通常の骨材を使用したコンクリート供試体と比較したところ,コンクリートの力学特性および耐久性は,一般的なコンクリートと同様の性質を示すことが確認された。