抄録
本研究では、製紙工場ボイラーから発生する飛灰を、セメントおよび砕石場から発生した微砂を混合して路盤材として有効利用することを目的とした。配合割合や養生時間を変化させて供試体を作成し、溶出量および含有量試験により環境影響を評価した。溶出量試験の結果、特にPbの溶出量について注意を払う必要があることが分かった。飛灰添加率を増加させるとPb溶出量が増加した。しかし、飛灰添加率を乾燥固形物重量割合の30%程度以下とすることで、供試体のPb溶出量はJIS基準以下とすることができた。また、養生期間を長くすることで、供試体強度が高まりPb溶出量の低減につながることが示唆された。さらに、セメントの種類によってPb溶出量が異なったが、この原因は今後の課題である。