抄録
本研究は、民間の不適正産業廃棄物安定型最終処分場において、行政代執行により特別措置法に基づく特定支障除去等を実施する現場で実施した。研究対象となる掘り起こし廃棄物土は、支障除去等に必要な措置の1つである汚染浸透水の浸透防止を実施するため、浸透水が地下水へ漏洩している箇所を一旦掘削したものである。掘削された 廃棄物土は、処分場内に設置した選別施設で廃棄物を除去して選別土として埋め戻すため、高精度の分別が必要であった。そこで、掘削された廃棄物土から廃棄物を高精度に分別する方法に関して、分別の前処理に使用する選別助剤の選定とその適用試験を実施した。その結果、低含水から高含水まで幅広い範囲で効果を発揮し、かつ液体のため粉じん発生がない高分子系(液体)が、本工事の選別助剤として有効で、さらに、含水率が20%を超える場合は、前処理として廃棄物土を適切に乾燥させる必要のあることが分った。