抄録
本研究では、国内の下水処理場で採用されている6種類の二次処理方式(CAS、AO、A2O、OD、SBR、MBR)を対象として、統計データ及び嫌気性消化試験結果に基づき、メタン生成ポテンシャルの評価をするとともに、メタン生成ポテンシャルを構成する汚泥転換率及びメタン転換率に影響する要因について検討した。その結果、CAS、AO、A2Oは、汚泥転換率とメタン転換率がSBR、OD、MBRよりも高く、それらよりも非常に高いメタン生成ポテンシャルを示した。SBRとODは、メタン転換率はそれほど低くはないものの、自己消化の進行によって汚泥転換率が低いことが明らかとなった。また、MBRは、汚泥転換率とメタン転換率がいずれも低く、さらにVS/TS比も低いため、対象とする処理方式の中でメタン生成ポテンシャルが最も低いことが明らかとなった。