抄録
本研究では平時・災害時のスプレー缶・カセットボンベのフローとストック変化を明らかにすることを目的に、既報のインターネット調査ならびに新たに熊本地震の被災地域で実施したポスティングによるアンケート調査調査を用いて推定した。その結果、カセットボンベの購入本数は被災地の方が多い傾向を示した。熊本市の廃棄本数は全国の約1.8倍となり、災害時には平時以上の廃棄量を見込んだ対応の検討が求められる。また、使用済退蔵ストックも熊本市が最も多く、使用済みカセットボンベの一部は廃棄されずに家庭内に退蔵されやすい傾向が見られた。スプレー缶の購入本数も被災地の方が多い傾向を示した。家庭内ストックについては、未使用買い置きストックが、使用済退蔵ストックや使用中製品よりも多いことが分かった。平時から分別回収システムを整備しておくことで、こうしたストックを低減させておくことが重要である。