近年、廃棄物処理施設の長寿命化を図る取り組みが注目されており、その有効な手段の1つとして、機器の故障を事前に予知し、適切なタイミングで保全を行う「予知保全」が挙げられる。本稿では、排ガス再循環ファンに振動センサーを設置し、機器の状態を監視している取り組みを紹介する。振動センサーにより振動速度と波形データを取得しており、そのデータを用いると、振動速度から機器の状態を判断すると同時に、波形データを周波数解析することで機器の不具合箇所を推定することができる。実際に、連続監視中に起きた高振動の原因はファンのバランス不良の可能性が高いと周波数解析結果から判断した。その後、ファン清掃により振動が低減したことから、ファンへのダスト付着によるバランス不良が起きており、解析による判定が正しかったことがわかった。このことから、振動速度と周波数解析結果の常時監視により、機器の状態を把握できることが確認できた。