山形県長井市では持続可能な農業や土づくりを目的に、生ごみの分別収集が開始され、コンポストセンターで生ごみを処理、製造された堆肥は市内の田畑で利用されている。本研究では、長井市における生ごみ分別収集量の変遷を人口動態の観点から考察することを目的とした。中央地区推計人口は1998年から2017年までの20年間で15.5%減少したのに対し、生ごみ分別収集量は65.1%減少し、生ごみ収集量の減少が際立っていた。仮説のひとつとしては2000年以降の中央地区への転入者の多くは生ごみ分別に参加していない可能性があった。転入者は民営の集合住宅に借家として居住し始める傾向が推察された。転入者の多くが単身者や共働き家庭に該当するのであれば、転入者の多くの生ごみ分別への参加意図は低下すると考えられた。