清掃工場から発生するCO2を有効利用した焼却残渣の炭酸化技術の開発を目的として、佐賀市清掃工場の排ガス及び排ガスから分離回収されたCO2を用いて、焼却主灰・飛灰の炭酸化処理を行い、供給ガスの違いによる溶出液中pHやPb濃度への影響について検討を行った。あわせてそれぞれの灰のCO2吸収量の推定も行った。炭酸化処理により、主灰では灰中のTC(全炭素量)や溶出液中pHに供給ガスの違いによる顕著な差は見られなかったが、飛灰では回収CO2区上層のTC増加がほとんど認められず、上層におけるCO2供給量不足が示唆された。Pb濃度については、主灰では回収CO2の方が炭酸化後の溶出低減効果が高かったが、飛灰では供給ガスの影響は見られなかった。またCO2吸収量は、主灰では24-28g/㎏DW、飛灰では約48g/㎏DW(回収CO2区上層除く)であり、飛灰が主灰に比べてCO2との反応性が高いことが示唆された。