スギとポリエチレンのシナジー効果増強によるガス化促進および炭化抑制

抄録

廃プラスチックや再生可能資源である木質バイオマスは貴重な炭素資源として有効利用されることが重要である。当研究室ではこれまでプラスチックと木質バイオマスの共熱分解において、生成物同士の相互作用（シナジー効果）により熱分解生成物の収率が変化することを明らかにしてきた。このシナジー効果を理解し、有用な熱分解生成物の収率を向上する共熱分解条件を見出すことが本研究の目的である。そこで本研究では、高いプラスチック混合比および種々粒径のスギを組み合わせて共熱分解し、シナジー効果の増強を試みた。実験結果よりGas・Liquidの増加及びCharの生成抑制が確認され、高いPE混合比および小さい粒径のスギを組み合わせることでそのシナジー効果の増強が認められた。シナジー効果を戦略的に高めることで、回収したい生成物の収率向上や不要な熱分解生成物の生成抑制など、生成物のコントロールが可能になることが示唆された。